自分でも作成できる内容証明郵便の書き方
自分でも作成できる内容証明郵便の書き方
内容証明郵便は賃貸トラブルの解決にとても有効な手段となることがあります。
勘違いされることも多い内容証明郵便ですが、弁護士や行政書士のように専門家だけが作成できるものではありません。
簡単なルールやポイントを押さえれば、あなたも作成できます。
ここでは内容証明郵便を書き方をルールに沿って解説いたします。
自分でも作成できる内容証明郵便の書き方【事前準備】
使用する筆記具
文書の記載に使用する筆記具も、ペンでも構いませんし、パソコンを使ったプリンターのトナーやインクでも構いません。
ただし、鉛筆は証明に耐えることが出来ませんので、認められません。
用紙の準備
用紙のサイズや紙の材質に関しては、原則として自由ですが、FAX感熱紙などの、保存に耐えないものは、使用することが出来ません。
一般的には、B4ないしA4サイズのコピー用紙を使用するか、もしくは、文房具屋などに内容証明郵便専用の用紙が売っているので、こちらを使用しても構いません。
枚数については制限はなく、何枚になっても問題ありません。
ただし、複数枚の場合、1部毎にホッチキスで綴じ、すべてのページとページの繋ぎ目にまたがって押印(契印)をすることが決まりになっているため注意が必要です。
自分でも作成できる内容証明郵便の書き方【ルール】
文字数・行数
一般的には縦書きの「1行20字以内、1枚26行以内」の書式を使用することが多いです。
- 文字のない空白や空白行はカウントしません。
- 最終ページの末尾に、郵便事業株式会社の認証スタンプが押せる余白を開ける必要があります。
- 電子内容証明郵便の場合は、文字数や行数の制限がありません。
使用出来る文字
使用できる文字は、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、および一般的な記号、句読点となっており、英字は固有名詞(人名・地名・会社名・商品名、など)に限られます。
また、記号(「」や( ))などに関しては、1組で1文字として、数字を○や□で囲んだ文字は、2文字としてカウントします。例)
①は、○と1で2文字、(1)や(2)などは、いずれも2文字の扱い
ただし、例外として序列を示す記号として使用する場合は、全体として1文字の扱いとなります。例)
(1).
(2).
(3).
上記は、いずれも1文字の扱い
また、文字や記号を強調するための傍点や下線等を施すことは可能です。
これらは文字数には含まれません。
標題(タイトル)
内容証明郵便に書く標題(タイトル)は自由ですが、主旨が伝わる分かりやすい標題(タイトル)を書きましょう。例)
「貸金返還請求書」
住所・氏名
差出人と相手方の住所・氏名の記載は必須となり、記載する内容は封筒の記載と同一で無ければなりません。
また、受取人が1名の場合、差出人と受取人の住所・氏名は、文書内の所定の文字数・行数の範囲外の余白に付記することが可能です。
文面中に差出人の氏名の横(または下)に押印するのが一般的ですが、あくまでも自由です。
本文
原則として、通常の手紙と同様に書いて構いませんが、時候のあいさつや文末の結び言葉は省きます。
あくまで目的は、意思表示の到達のため、主張や要求が相手方に明確に伝わるようにして下さい。
例えば「○○法第××条にもとづき」など法令を特定して、明確な根拠や理由を示すことができれば効果的です。
文末には、相手からの回答や履行を求めるための期限を明示し、期限が経過した場合にどのような手段をとるか明記したうえで文書を締めくくりましょう。
補足ですが、感情的になりすぎた文面は、相手方に脅迫や侮辱、名誉毀損などと反論される場合があるため注意して下さい。
自分でも作成できる内容証明郵便の書き方【差し出す前の準備】
内容証明郵便の準備
内容証明郵便は、相手方が1名の場合、同一の文書を3通作成します。
- 相手方に発送するもの
- 郵便局で保管されるもの
- 差出人が保管する控え
文面の記載内容が同一でさえあれば、手書きでも、カーボン紙による複写でも、コピーでも構いません。
封筒の準備
住所・氏名
封筒のサイズや紙の材質、種類などに関しては自由ですが、一般的には、定形内の封筒を使用します。
封筒の表に相手方の住所・氏名を記載し、封筒の裏には、差出人の住所・氏名を記載します。
相手方および差出人の住所と氏名の記載は、内容証明郵便の文中に記載している差出人・相手方と同一の記載で無ければなりません。
封筒に同封できるもの
普通の手紙であれば、借用書のコピーや資料・写真などを同封することが出来ますが、内容証明郵便の場合には、所定の書式の内容証明郵便の文書以外のもの、同封することが出来ません。
その為、内容証明郵便の場合には、文中に下記の内容を記載して、別郵便で送付することになります。
- 「別郵便で売掛金計算書をお送りしましたのでご確認下さい」
- 「必要があればいつでも借用書のコピーをお送りします」
- 「証拠となる写真を別郵便で発送しましたので、お受け取り下さい。」
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