「賃貸物件に住む際、どこまでが私の責任なの?」「原状回復費用を請求されたけど、これって払う必要があるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
賃貸契約には「善管注意義務」と「用法遵守義務」という二つの重要な義務があります。
これらを正しく理解していないと、退去時に予想外の費用負担が発生したり、大家さんとトラブルになったりする可能性があります。
この記事では、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に、両者の違いを分かりやすく解説します。
賃貸生活をスムーズに送り、不要なトラブルを避けるための知識を身につけましょう。
目次
善管注意義務と用法遵守義務の基本
猫によるクロスの傷
善管注意義務とは、借主が「通常の注意をもって物件を使用・管理する義務」を指します。
これは民法第400条に基づく概念で、「善良な管理者の注意」をもって賃貸物件を扱うことが求められます。
具体的には、一般的な生活をする中で生じる通常の劣化や損耗については、借主の責任ではないとされています。
一方、用法遵守義務は民法第616条に定められた「契約や物件の性質に従って使用する義務」です。
賃貸借契約で決められた使い方や、その物件の性質上当然に必要とされる使い方を守ることが必要です。
この義務に違反すると、修繕費用は借主負担となるケースが多くなります。
両義務は密接に関連していますが、善管注意義務がより広い概念で、用法遵守義務はその一部と考えられています。
実際の生活での義務の違い
- 善管注意義務に関する具体例
- 結露が発生しやすい季節には適切な換気を行う
- 水回りの掃除を定期的に行い、カビの発生を防止する
- 長期不在時には水道の元栓を閉める
- 用法遵守義務に関する具体例
- ペット禁止物件でペットを飼わない
- 居住用物件で無断で事業を行わない
- 契約で禁止されている壁への釘打ちをしない
- 契約書の禁止事項を必ず確認する
- 物件の改造や修繕は必ず大家さんの許可を得る
- 通常の使用を超える損傷は借主負担になることが多い
- 疑問点があれば、勝手に判断せず大家さんや管理会社に相談する
関連記事:賃貸の退去費用に対するガイドライン【原状回復ガイドラインのまとめ】
まとめ
賃貸住宅における善管注意義務と用法遵守義務の違いを理解することは、快適な賃貸生活を送るうえで非常に重要です。
善管注意義務は「通常の注意をもって物件を使用・管理する」という広い概念であり、用法遵守義務は「契約や物件の性質に従った使用をする」というより具体的な義務です。
国土交通省のガイドラインでは、通常の使用による経年劣化は大家さん負担、故意・過失や契約違反による損害は借主負担と明確に区分されています。
契約書をしっかり読み、日常生活では定期的な清掃や換気などの基本的なケアを怠らず、不明点があれば早めに管理会社に相談することで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
賢い借主として、権利と義務のバランスを理解し、快適な賃貸生活を送りましょう。
参照元:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
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