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敷金ドットコムは、退去費用のトラブルを街の法律家に無料で相談できるサイトです。
このサイトは、国土交通省のガイドラインに沿って、賃貸人や賃借人、媒介業者、管理業者など、賃貸借契約の当事者の方々に積極的に活用され、トラブルの未然防止や円滑な解決に役立つことを期待して運営しています。

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国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドライン ≫

賃借人の管理責任が認められ、カビ被害の修繕費用(畳・カーペット・クロス・ガラス)の2割が認められた事例

賃貸物件を退去する際、敷金返還や修繕費用の負担をめぐってトラブルになることがあります。今回は、横浜地方裁判所で行われた裁判をもとに、カビ被害に関する賃借人の責任範囲についてわかりやすくまとめました。

この事例では、新築物件で発生したカビ被害について、建物の状態と入居者の管理状況を総合的に考慮し、賃借人に2割の負担を求める判断が下されています。

賃借人の管理責任と賃貸人の修繕義務の範囲を示す重要な事例となっていますので、カビ被害による退去費用でお困りの方はぜひ参考にしてください。


行政書士 松村 元
監修者

敷金の返還請求、立ち退きや退去費用に関するトラブルなど、様々な問題について、適切なアドバイスをしております。
裁判所での訴訟等については、業務の範囲外となるため、サポートに限りはありますが、借主の皆様が、より安心して住まいを利用できるよう、最善の解決策をご提案いたします。


目次

トラブル事例の概要

請求額の内訳/入居期間4年9ヵ月
入居期間4年9ヵ月
請求額の内訳
畳・カーペット・クロス・ガラスの張替え・設備の取付けなど
46万9,474円
請求額の合計

469,474

関連記事:畳床・クロス・カーペット・クッションフロアの相場

賃貸借契約からトラブル解決までの経緯

1989年7月2日

賃貸借契約

賃貸借契約

1989年7月2日、横浜市内で新築マンションの契約が行われました。この契約は、賃貸人であるYさんと、賃借人Xさんの間で結ばれました。賃料は月額9万7000円、敷金は19万4000円でした。

賃貸借契約の概要
  • 賃料:月額9万7000円
  • 敷金:19万4000円
1991年7月2日

賃借権の譲渡

契約更新と賃料・敷金の増額
契約更新時に賃料が1万円増額され、敷金も2万円増額されました。Xさんは追加の敷金をYさんに交付しました。

1994年3月31日

契約終了と明け渡し

1994年3月31日、賃貸借契約は合意解除され、XさんはマンションをYさんに明け渡しました。

1994年4月~1995年1月17日

退去費用の請求

退去費用の請求

Yさんは、通常の使用による損害以上の損害(カビによる汚れ・染み)があったとして、畳、カーペット、壁・天井の張替え、ガラスの張替え、設備の取付けなど、合計46万9474円の補修工事費用を請求しました。

請求の概要
  • 修繕/原状回復費用:46万9474円
    • 畳・カーペット・クロス・ガラスの張替え・設備の取付けなど
1995年1月17日

保土ヶ谷簡易裁判所判決

保土ヶ谷簡易裁判所判決

一審では、各損害はいずれも通常の使用により生じる損耗であり、賃貸人が負担すべきとして、賃借人の敷金返還請求を全面的に認める判決が下されました。

判決内容
  • 修繕/原状回復費用:0円
    • 畳・カーペット・クロス・ガラスの張替え・設備の取付けなど
1996年3月25日

横浜地方裁判所判決

横浜地方裁判所判決

控訴審では、カビの発生について賃借人の管理にも問題があったとして、修繕費15万5200円のうち2割にあたる3万円を賃借人が負担すべきと判断。敷金21万4000円から3万円を差し引いた18万4000円の返還を命じました。

判決内容
  • 修繕/原状回復費用:3万円
    • 畳・カーペット・クロス・ガラスの張替え・設備の取付けなど

まとめ:退去費用の内訳と合計

退去費用の内訳と合計/入居期間4年9ヵ月
入居期間4年9ヵ月
退去費用の内訳
畳・カーペット・クロス・ガラスの張替え・設備の取付けなど
3万円
退去費用の合計

30,000

請求額の内訳
畳・カーペット・クロス・ガラスの張替え・設備の取付けなど
46万9,474円
請求額の合計

469,474

新築物件特有の湿気によるカビの発生は、ある程度は避けられない事象です。しかし、発生後の対応如何によっては、賃借人にも一定の責任が生じる可能性があります。

本件では、同じ建物の他の部屋と比較してカビの程度が著しかったことから、賃借人の管理責任が認められ、修繕費用の2割を負担することとなりました。

関連記事:畳床・クロス・カーペット・クッションフロアの相場

参照元:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

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