賃借人の修繕工事費用や違約金の返還請求が認められ、賃貸人に対して一部の返還と損害賠償の支払いが命じられた判例
東京地方裁判所の判決によれば、本件賃借契約において、賃貸人が要求した違約金支払い条項は消費者契約法10条に違反しており、無効とされました。
また、賃借人の修繕工事費用や違約金の返還請求が認められ、賃貸人に対して一部の返還と損害賠償の支払いが命じられました。
この記事を書いた人
敷金ドットコムは、退去費用のトラブルを街の法律家に無料で相談できるサイトです。
このサイトは、国土交通省のガイドラインに沿って、賃貸人や賃借人、媒介業者、管理業者など、賃貸借契約の当事者の方々に積極的に活用され、トラブルの未然防止や円滑な解決に役立つことを期待して運営しています。
事案の概要
この事例では、賃借人Xと賃貸人Yの間での賃貸借契約に関して紛争が生じました。
賃借人Xは解約後、賃貸物件の明け渡しをする際に、床板塗装工事やクロスの張替えなどの工事を行いました。
一方、賃貸人Yは鍵の返還や原状回復を求め、違約金の支払いも主張しました。
敷金 | 結果 | 賃借人負担となった部分 |
---|---|---|
敷金70万5000円 | 返還60万5284円 | 鍵の紛失による交換費用 建物の故障 修理についての出動費用 |
判決の要旨
- 賃借人Xが行った工事について:裁判所は、通常の損耗を超える損耗はないと判断しました。また、原状回復義務が存在しないため、賃借人Xは工事費用の償還を請求できるとしました。
- 違約金支払い条項について:判決では、違約金支払い条項が消費者契約法10条に違反していると判断されました。このため、支払われた違約金は無効とされ、賃貸人Yに返還を命じられました。
- 判決の結論:裁判所は、賃借人Xに対して敷金の返還や工事費用の償還請求を認めました。また、違約金支払い条項の無効を宣言し、不当利得の返還と遅延損害金の支払いを命じました。
賃借人の修繕工事費用や違約金の返還請求が認められ、賃貸人に対して一部の返還と損害賠償の支払いが命じられた判例のまとめ
この判決では、賃貸借契約における違約金支払い条項が消費者契約法に違反しているとされ、その支払いは無効とされました。
また、通常の損耗を超える損耗がないと判断されたため、原状回復の義務もないとされ
しました。その結果、賃借人Xに対して敷金の返還と工事費用の償還が認められました。
また、違約金支払い条項が無効とされたため、賃貸人Yは支払った違約金の返還を命じられました。
さらに、賃貸人Yは不当利得を得たとされ、その返還と遅延損害金の支払いも命じられました。
したがって、賃借人Xは敷金の返還、工事費用の償還、支払った違約金の返還、不当利得の返還、遅延損害金の支払いを受けることとなりました。
敷金 | 結果 | 賃借人負担となった部分 |
---|---|---|
敷金70万5000円 | 返還60万5284円 | 鍵の紛失による交換費用 建物の故障 修理についての出動費用 |
※この回答は、特定の法的助言を提供するものではありません。法的問題に直面している場合は、専門の弁護士に相談することをおすすめします。
コメントから相談する