賃貸アパート退去時の敷金(保証金)トラブルは、原状回復の範囲の解釈違い、退去時の立ち合いの不備、敷金の償却や滞納分の充当、清掃や修理費用の請求などが主な原因です。
これらのトラブルを避けるためには、契約書の内容をしっかり確認し、入居時には部屋の状態を詳細に記録することが重要です。
ここでは、その敷金(保証金)に関する記事をご覧いただけます。
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[事例25]本件敷引特約は、消費者契約法10条により無効であるとされた事例
賃借人Xが賃貸人Yとの賃貸借契約において敷引特約の無効を主張し、敷金の返還を求めた事案です。裁判所は、敷引特約が消費者契約法10条に該当し無効であると判断し、敷金の大部分を返還するよう命じました。 -
[事例26]カビの発生は賃借人の手入れに問題があった結果であるが、経過年数を考慮するとクロスの張替えに賃借人が負担すべき費用はない、との判断を示した事例
賃借人Xが賃貸人Yに対して、敷金の返還と更新料の返還を求めた事案です。裁判所は、賃借人Xが長期間にわたり賃借していた建物の損耗・汚損は自然経過によるものであり、クロスの張替え費用は貸主負担と判断しました。また、更新料支払特約は有効であるとし、敷金から一部を控除した金額の返還を命じました。 -
[事例27]通常損耗を賃借人の負担とし、解約手数料を賃借人の負担とする特約が消費者契約法により無効とされた事例
賃貸借契約において解約手数料や原状回復費用を賃借人に負担させる特約が、消費者契約法に反して無効とされた事例です。賃借人Xは、賃貸人Yが保証金から解約手数料や原状回復費用を差し引いたことに異議を唱え、保証金の全額返還を求めて提訴しました。裁判所は、特約が賃借人に過重な負担を課すものであるとして無効と判断し、賃借人Xの請求を認めました。 -
[事例28]敷引特約が、消費者契約法に反し無効とされた事例
賃貸借契約における敷引特約(敷金の一部を返還しないとする特約)が消費者契約法に違反し無効とされた事例です。賃借人Xは敷金の返還を求めたのに対し、賃貸人Yは原状回復費用を理由に敷金以上の損害賠償を反訴請求しました。裁判所は、敷引特約が消費者に過剰な負担を課すものであり、信義則に反するとして無効と判断しました。 -
[事例29]保証金解約引特約が消費者契約法10条により無効とされた事例
賃借人Xが賃貸人Yとの間で締結した賃貸借契約において、保証金から40万円を差し引く特約が消費者契約法に違反し無効であると主張し、保証金50万円の返還を求めた事案です。裁判所は、特約が消費者の権利を不当に制限するとして無効と判断し、保証金の一部返還を命じました。 -
[事例30]通常損耗補修特約は合意されたとはいえず、仮に通常損耗補修特約がなされていたとしても、消費者契約法10条に該当して無効とされた事例
賃貸借契約において、賃借人が退去時に負担すべき原状回復費用に関する特約が、消費者契約法10条に基づき無効とされた事例です。裁判所は、特約が賃借人に過重な負担を課し、信義則に反するとして、敷金の全額返還を命じました。 -
[事例31]賃借人が負担すべき特別損耗の修繕費用につき、減価分を考慮して算定した事例
賃借人Xが賃貸人Yに対して、敷金から控除された住宅復旧費(タバコのヤニによるクロスの張替え費用など)の返還を求めた事案です。裁判所は、クロスの全面張替え費用について、通常損耗分を控除した金額のみを借主が負担すべきと判断し、敷金の一部返還を認めました。 -
[事例32]庭付き一戸建て住宅につき、草取り及び松枯れについての善管注意義務違反があったとして、賃借人の費用負担を認めた事例
賃借人が庭の管理不十分により植栽が荒廃したとして、賃貸人が修復費用の支払いを求めた事案です。裁判所は、賃借人が庭の管理について一定の善管注意義務を負うとし、特に草取りと松枯れに関する義務違反を認め、修復費用の一部を賃借人に負担させる判断を示しました。 -
[事例33]賃借人がハウスクリーニング代を負担するとの特約を有効と認めた事例
賃貸借契約終了時にハウスクリーニング代や原状回復費用を巡り、賃借人Xと賃貸人Yが敷金返還を争った事案です。裁判所は、特約に基づくハウスクリーニング代の負担や通常損耗を超える損耗の補修費用について判断し、敷金の一部返還を命じました。 -
[事例34]契約終了時に賃借人自ら補修工事を実施しない時は契約締結時の状態から通常損耗を差し引いた状態まで補修すべき費用相当額を賃貸人に賠償すれば足りるとされた事例
賃借人Xが賃貸人Yに対して、敷金の返還を求めた事案です。賃借人Xは賃貸借契約終了後に敷金の一部返還を求めましたが、賃貸人Yは原状回復費用を理由に敷金の全額返還を拒否しました。裁判所は、経年劣化を考慮した原状回復費用の範囲を限定し、賃借人Xの請求を一部認容しました。